楽天(三木谷浩史代表取締役社長兼会長)は7月31日から8月3日の4日間、楽天グループとして過去最大規模のイベント「Rakuten Optimism2019」を横浜市のパシフィコ横浜で開いた。
楽天トラベル関係では、三木谷会長とエアアジアグループのトニー・フェルナンデスCEOによる対談「トラベル×テクノロジー×メンバーシップ」を1日に実施した。マレーシアのLCC(格安航空会社)であるエアアジアは、楽天からも18%の出資を受けて2014年にエアアジア・ジャパンを設立。本社を中部国際空港内に置き、17年から名古屋・札幌線などを運航している。
三木谷氏からローコストキャリアとしてのビジネスモデルについて質問されたフェルナンデス氏は、「仮に名古屋―クアラルンプール便に就航した場合、運賃は往復で250米ドル程度になる。安価な運賃を提供して、より多くの方々に航空機での旅を可能にすることをミッションに掲げている」と応答。その上で「『ローコスト』は、クオリティが低いとか、安全面で妥協があるとかいう意味でない。効率性が高いということだ」と述べた。
また「機体を1種類に統一、チケットをオンライン販売にするなどシンプルな事業構造にし、継続的にコスト削減を図っている」と話した。
人材活用についても言及。「企業にとって一番の資産は人材。現在3千人いるパイロットのうち300人以上は女性で、米国の航空会社よりもパイロットの女性比率が高い。人材登用プログラムにより、これまで客室乗務員や地上職だった社員がパイロットになっている。テレフォンオペレーターから顧客サービス部門のCEOに昇進した者もいる」と語り、能力に即した人事の重要性を強調した。最後に「目標を持っていれば、誰もがその夢を追うことができる。そういう会社であることがエアアジアの力の源泉になっている」と話した。
楽天の三木谷会長とエアアジアグループのフェルナンデスCEOによる対談